2014年04月21日

第19回日本集団災害医学会総会・学術集会

2か月もご無沙汰してしまいました。face10

第19回日本集団災害医学会総会・学術集会
会 期: 平成26年2月25日(火)~26日(水)
会 場: 東京国際フォーラム

『局地災害における「DMAT出動の意思決定」の研究』
  A study of decision-making processes for mobilization of
  Disaster Medical Assistance Team (DMAT) in local disaster.


 2013年8月18日発生の木島平村マイクロバス転落事故対応のクロノロジーを基に、局地災害におけるDMAT出動の意思決定について研究したので報告・提案する。

【背景】長野県DMAT分科会は、本年1月、DMAT設置運営要綱の派遣基準を修正した。「死者2名以上」を外し、「震度6弱以上の地震又は20名以上の傷病者の発生が見込まれる災害」として局所災害への出動を想定していた。

【問題点】
1.事故現場からの情報収集並びに出動要請の経路は、現場の消防からの1系統だけ。
2.県のDMAT担当は、非医療従事者である。
3.DMAT指定病院の院長等は、他病院のDMATの出動にまで言及できない。
4.情報共有の仕組みが確立しておらず、各DMATがそれぞれ情報収集せざるを得ない。

【解決策・結語】情報のパイプを太くしつつ、情報の共有をはかる。
1.警察から運用担当への情報ルートを明記する。
2.3.4.事故発生を、既存の長野県DMATメーリングリストで、全隊員に通報し、長野県EMIS又は厚生労働省EMISを災害モードにして、掲示板にクロノロジーをアップする。関係機関や隊員が追加記載し、情報を共有する。
クロノロジーにすべき、出動の意思決定に必要な情報について、関係者に周知・研修する。

++++++++++++ 発表スライド(一部目隠し) +++++++++++

















































  


Posted by 北さんだよ at 18:45Comments(31)学会・研究会・研修会

2014年02月15日

大雪の東北巡礼 ~石巻・南三陸~


 2月8~9日と大震災以降6回目のとなる、石巻市・南三陸町を巡ってきました
 なんと79年振りの記録的とかで、当日のFBでは、全国の仲間が「行けない」「帰れない」。果ては、「カマクラ作った」と災害対応に大わらわ情報が氾濫。 ロジ北の「雨男/雪男」伝説がささやかれる中、長野県内の青少年赤十字(JRC)指導者の方々と一緒の巡礼(昨年1月に続き2回目)でした。



 あの大震災の救護活動に関わった者としては、「災害オタク」的な誹謗に負けずに、「PD」を減らす活動を続けていこうと思ってるけど、多くの方々に震災の話をしたり、被災地に足を運んでもらったりして、一緒に「減災・防災」対策を考え、進めてもらうことも大事な事だと考えてます。
 前回の研修旅行では、「被災地を巡って、大震災や被災地の今を感じてもらいたい」ってスタンスだったけれど、今回は「子供達や教師が、具

体的に減災・防災についての活動をするためのアイデアを見つける」ことをテーマに訪問しました。勿論、学校教育の中で展開するJRC活動の目的の「いのちと健康を大切に、地域社会や世界のために奉仕し、世界の人々との友好親善の精神を育成する」を達成するための活動の具体的テーマを見つけるって言い換えられるけどね。
 毎回、世話になってる石巻赤十字病院のT係長、今回特別の配慮を頂いた、日本赤十字社宮県支部のS課長。本当にありがとうござい

ました。m(_ _)mおかげさまで素晴らしい研修旅行になりました。

 写真のお地蔵さんは、旧門脇小学校の前に建立されたもので、被災地で目に見える変化の一つ。
 雪煙の松の木の向こうにあった、石巻市立病院の建物は撤去され、焼け落ちた旧門脇小学校の建物には、足場を組んでネットの覆いがかけられてました。 

 南三陸で毎回お世話になる、ホテル観洋は震災時に被災者の避難所、救護活動の拠点の役割を果たしたことで知られていますが、今回も、貴重なお話を伺うことが出来ました。T係長の「家族との連絡先・連絡方法を確立しておけ」「いざという時にそなえ、職場のロッカーにも食料の備蓄を」に繋がる、被災&救護体験者として「車に着替えの備蓄を」との言葉が、印象的でした。
 UPしている今日も、記録的な大雪で、皆さんの難儀している様子が、FBで伝わってきますが、あなたは、車に「車中泊セット」積んでます?(当然、北さんは積んでますけどface06

 
 さんさん商店街の皆さんは、雪かきに追われてました。この辺ってあんまり雪が降らないんだね。雪かきの道具が、アマチュアっぽかったな(失礼)。30cm位の降雪で、高速止まるし、雪道の運転初心者ですって感じのドライバー多いし。
(大雪のため、女川訪問はできませんでした。残念face07





1年ぶりの南三陸町、公立志津川病院は、解体されて10m位の盛り土がされてたけれど、破壊されたままの棒状堤防(この沖の湾内は、サルベージされて大きな塊などは撤去されたそうですが)やJRの橋桁などはそのまま。「1年も経つのに」って思わずにはいられませんでした。





 敢えて、遠景の写真を使います。保存?撤去?南三陸町防災対策庁舎は、吹雪の中に鉄骨をさらして建ってました。みんなで、献花を捧げました。3回目になる語り部ボランティアのAさん、心にしみるお話をありがとうございました。




 瑞巌寺の杉並木は、並木というには随分、スキズキしてしまいましたね。

 今回の訪問では、雪景色が立ち枯れや津波の爪痕だけでなく、復興の歩みも隠してしまっていたかもしれませんが、物的復興の遅々たる動きに反するかのように、お話を伺った方々の中に「必ず訪れる大震災への備え・対策といったものがまとまって、それを伝えることで、気持ちの復興が進んで来ている」という印象を持ちました。そして、そのことに励まされる自分を感じることができました、また行きます。ありがとう。







  


Posted by 北さんだよ at 22:25Comments(7)災害救護

2014年02月11日

ロジさんのお仕事;「長野県DMAT養成研修」


 1月の29・30日と、松本で4回目(震災の年は、県内の医療機関あげて医療支援をした関係もあって、医療救護班要員のための心のケアなんかも含めた「災害医療研修会」したから、5年目になるけど)の「長野県DMAT養成研修」のお手伝いをしてきました。
 当県の研修は、第1回目から県内のスタッフだけで運営できていて、スタッフはチト大変だけれど、いい感じで楽しみながら進めてますよface02

 無線通信実習や現場救護所実習で使う、簡易業務無線は、県内の全DMAT指定病院から集めてなんと、全受講生に1台づつっていう研修環境を確保icon22(当県のDMAT用無線は、非常時に備え、一定のChのトーンスケルチを同じにしているんだよ。しかも、立川や神戸のとも・・・)
 ただ、持参してもらった衛生携帯は、2台がバッテリー切れface07という悲しい出来事が。。。でも聞いてみると、2病院とも研修前日に電池満杯を確認していて、もしかしたら、確認後の電源切り忘れかも。。。なんということでしょうね。皆さんも、お気をつけあそばせicon12

 タイトルで「ロジさんのお仕事」って入れたけれど、今回も、ロジさん達に「業務調整員の任務・役割」(メイン業務は、PDをなくすべく活動する、医療救護班の活動を最大限に効果的に展開するため、情報管理、資材管理を行う。これらの管理業務のため、チーム内はもとより、他の機関・組織と調整をする)を理解し、そのための「基本技」を習得してもらうために、いくつかの工夫をしたよ。
  「クロノロ実習」の組織図作りで、他のロジの
書いたクロノロから組織図を作る。⇒クロノロに記すべき事項が一層実感できる。
  クロノロ実習のあと、近隣災害を想定した「第一報入電から、情報収集・要員確保・資機材準備・バックアップ本部設置・出動の意思決定・現場救護所や現場指揮所での役割などを、運営スタッフ総出のアドリブ寸劇仕立てのクロノロ記載」でイメージトレーニング。⇒一連の動きの中でこそイメージ化ができる。ロジさん達って普段全く違うお仕事してるんだよね、お仕事の基本的な進め方は同じとしてもね。
  研修の中で、ロジの動きを表現しにくい「現場救護所実習」を乗り切るため、医師グループに「ロジが持つ能力」を伝達してもらった。⇒リーダーがロジの能力を知らなければ、チームビルディングもできないよね。
 上のイメージトレーニングでは、現場救護所で何をするのか(後方搬送のための搬出トリアージ。後方病院までの搬送に耐えられる安定化処置)の再確認もしたよ。⇒ホントは、チームビルディングでチーム全員が意思統一しなきゃいけないんだよね。これがないと、どうしても医療従事者の皆さんは(根治)「治療」に向かいたくなっちゃうんだよね。
 そんなこんなの工夫が功を奏してか、研修のまとめでもある、「現場救護所実習」では、ロジさん達が生き生きと動いていて、疲れが飛んでいくような高揚感に包まれて、研修会を終えることが出来ました。皆さんありがとうございましたface02   


Posted by 北さんだよ at 22:59Comments(2)DMAT研修

2014年01月23日

医療救護班等出動の意思決定


 1月11日~13日と、東京の日本赤十字社で、全国救護班研修(旧日赤DMAT研修)に参加してきました。

 本社は、港区にあって、この東京タワーのすぐ近くなんだけれど、ひと仕事終えて気持ちの通う仲間とほろ酔い加減で見る、この景色は毎回写真に撮ってしまう何かがあります。(こんなことを書きながら、当社の救護活動の有り様と、なにか通じるものがあるな~などとしみじみ思った北さんではありました。)

 さて、今回は、昨年12月はじめの、上田のMCLS。立川の日本DMAT研修での気付き(http://saigai.naganoblog.jp/e1410381.html)をどう活かすかが、自分なりのテーマで、折に触れて呟きながら進めたんだけれど、2月の日本集団災害医学会での発表テーマでもある「出動の意思決定」の精度UPをするための問題点を考える研修会でした。


 これは、あるセッションのGWメモだけれど、「出動要請」がない中での、「出動のスイッチを誰がどんな基準で入れるのか?」という、古くて新しい問題を含む話し合いが行われました。

 実は、当社には、「常備救護班派遣要領」っていう規程があって、全国499班 6,773人(平成25年3月31日現在)の派遣=出動の仕方について定められています。

 『平成3年2月の「国内救護体制の整備」に関する答申において求められている常備救護班派遣要領について、別紙によることとしたので、ご了知のうえ、今後救護班による医療救護活動の必要性が少しでも認められる場合には、救護班を遅滞なく派遣するように取り進められたい。 』これは、当社が派遣要領を定めた時に、規程の意味合いについて担当部長が添えた通知の文言で、本文 第4 救護班の出動体制には、
何時いかなる時でも、ただちに救護班が出動できる体制を整えておく。また、夜間・休日の災害発生に備えて、支部と管下施設との間の連絡網を整備しておく。
 また、第6 救護班出動の判断には、
 救護班の出動については、災害救助法の適用の有無や、行政機関からの要請の有無にかかわりなく、支部の判断で、自主的かつ迅速に決定することが原則である。ただし、大規模災害時において、行政機関が被災地の全体的な医療調整を行っている場合は、この調整の下で、十分な連携をとる

こととする。  とされており、この規程をそのまま読めば、「救護班出動の命令や指示」の発令に躊躇するのは、なぜ?ってことになり、昨年、某所で起きた、都道府県からの派遣要請(各支部長は、知事と救護に関する協定を結んでいる)がない場合の、自主派遣に伴う費用負担の問題や救護班の帰属先病院への気兼ねなのかしら?なんて思うのですが、実際の場合、近年は、出し惜しみって例はあまり無い印象があるので、この研修の成果が出ていると言えるかも?face01

 一つ上の写真は、1月16日に山ノ内町で開催した、長野市赤十字奉仕団研修会における、「避難所体験ゲーム」(本年度から始めた防災啓発プログラムの一つ)でのもの。
 お馴染みの「炊き出し」「赤十字救急法(BLS)」の写真は、1月18日に須坂市で開催の「北信地区青少年赤十字(JRC)交流会」で小中高校生と一緒に行ったもので、「防災・減災」の知識・技術の普及・啓蒙にも励んでいますぞ!

 来週は、1月26日には、救急法指導員研修会(安曇野市)。29~30日には、長野県DMAT養成研修会(松本市)と目白押しで、この間隙を縫って心カテをやったり、お疲れ様の毎日ではあるけれど楽しいね。face01

   


Posted by 北さんだよ at 20:34Comments(0)災害救護

2014年01月01日

謹賀新年 o(^▽^)o



 謹賀新年

 新しい年の初めに、皆様にお祝いと、コホン 今年の抱負(多分、一週間位は覚えてますよ)など、述べさせて頂きます。

 午年生まれのロジ北さんは、今年7月で五囘目の午年を迎えます。

 そこで、そろそろ「まとめ」の時期を意識して、今年の大晦日に振り返って、こんな顔ができるように、昨年よりちょっとばかり「攻めて」見ようと考えております。

 皆々様におかれては、旧に倍してのご厚情を頂きますようお願いして、年頭のご挨拶とさせていただきます。
   


Posted by 北さんだよ at 17:32Comments(4)歳時記

2013年12月22日

なんの為?


 12月8日 上田でのMCLSのトリアージ実習の場面です。1年振りの研修参加で、「浦島太郎状態」の私を暖かく包んで頂いた皆様に、感謝感謝でございます。face01
 翌日からは、立川の日本DMAT養成研修に参加という、こちらも「お久しぶりね~♫」の連続攻撃・・・
 (実は。5日6日と福井で会議、7日は、志賀高原で募金活動ってのが間に入るんだけどface07



 両研修における、この秋の大きな変更点の「スタートトリアージの循環評価を橈骨動脈の触知で行う。」については、大きく取り上げられていたんで、すんなり。。。face02
 その他、随所に素晴らしい伝え方の工夫が盛りだくさんでしたよ。どれもこれも、参加者が自ら考えて納得できる手法と言えるものでした。
 研修を通じて、私たちは、「防ぎ得た災害による死亡」を減らすという大きな目標に向けて、「できるだけ多くの傷病者にできるだけ早く根本治療を行う。」「できるだけ多くの傷病者に根本治療までの安定化を図る。」活動を行うんだって分かってもらいたい。そんな思いがしっかり感じました。
 そんな中に身を置くと、エネルギーをもらえますね。icon22



 ちょっと心配なことが二つ。以前から感じていて、時々ここで取り上げていたことだけど、トリアージを行う意味がうまく伝わっているのかしら?ってことです。傷病者集積場所でのトリアージが、現場救護所への搬送順位に反映されない流れで、現場救護所の運営の設問がされるのは、参加者に迷いを与えてしまわないでしょうか? 黄色用救護所の設置や、そこへの医師の配置など、未だにいろんな訓練で散見される事だけれど、どうも、トランプ形式の教授法の印象が強すぎると思いますが、如何でしょうか?

  現場救護所って、「傷病者に対して何をするところなの?」ってことが、特にロジさん達に共有できているのかしら?
 チーム全員が目標を共有しないと「災害」に飲み込まれてしまわないだろうか?

 写真は、19日に開催の、長野県DMAT養成研修の資料ですが、1月の研修では、上記を意識して進めたいと考えています。


 同じ、19日の午後には、長野県DMAT分科会があって、「来年度には、県のロジ研修しましょ」「災害情報の第一報発信者として、県警さんも明記しましょ」って提案しました。
 ロジ研は、何年も前から提案し続けて来たんだけれど、今回は、N君が提案書を作ってくれたのでより強力な提案ができて、事前の根回しも功を奏して予算も付きそうなので、県下ロジ隊の力を合わせて進めたいと考えてます。もう一つは、二月の日本集団災害医学会で報告しますね。face01  


Posted by 北さんだよ at 23:11Comments(0)DMAT

2013年11月30日

災対本部とロジ隊

 なんと、PV 60,000様を超えました。ご愛顧ありがとうござりまする。あ~それなのに、最近月一程度のUPでごめんなさいねface06

 この後姿が誰かわかる人は、きっとご利益があることでしょう。今頃、フィリピン台風災害救援で汗を流しておられるでしょうね。是非、頑張りすぎずに活躍してください。

 11月3日のことでした。諏訪市で長野県総合防災訓練が開催されました。去年から、県の危機管理部やDMATを所管する健康福祉部に提案して、被災エリア直近の災害拠点病院の統括DMATが医療コーディネーターとして、日赤救護班・医師会救護班・DMATの動き全てを実質的に采配する訓練ができました。更に、県内6日赤病院の合同救護訓練も併せて開催。おまけに各本部が設置された諏訪日赤の多数傷病者受入れ訓練も併催という。「ナントカ長」がいっぱい居て、初心者には、誰が一番偉いのか分からない、楽しい訓練でしたface03
 さて、なぜ、医師免許を持つスーパーロジが組織図を書いているのか?
 ① 複数の組織や部署が協働するには、この組織図が不可欠だ! ② 本部長の統括DMATと当該拠点病院のロジだけでは、ここまで手が回らない。(でも、これがなければ、救護活動が回って行かない!) からで、本部機能の発揮には、ロジ隊の活躍が必須ですよね。
 本部長が作戦を詰めるための情報の収集。本部長の頭の整理のためのクロノロ。集合した医療救護班などに状況を説明したり、情報を
共有するための「一連のホワイトボードUP作戦」。これらがあってこその本部なので、今回は、良く鍛えられたブルーベストのチームと赤いつなぎのチーム(そ~言えば、両チームともドクヘリ運用HPのチームだったね。流石face02

 昨年は、県DMATインストクラスの「ロジ隊」を組んで、DMAT調整本部などで稼働したんだけれど、実災害の折には、本部運営に入れるロジをプラスして出動するような申し合わせが必要ですね。チームとしては、「出来るロジ」を引き抜かれるのはつらいでしょうが、「ロジ研修」なんか
をして、ロジの底上げをして、そんなシステムを創るってことだね。

 分かり難い写真だけれど、本部に来てくれたアマチュア無線クラブの方々が、近隣の病院の状況を聞き取り調査してくれて、それをEMISにUP。壁に投影した場面です。(日赤のアマ無線奉仕団でなくて“残念”でしたが・・・)




 無線関連で、拾ってみた写真です。 市町村の「ふれあい祭り」などにブースを出して、子供たちと「偵察大作戦」なんて、「無線ごっこ」してます。
  「HQ(Headquarters)から〇〇隊員、出店のオデンは美味そうか?調査せよ!」「了解!ただちに向かいますっ」なんてノリノリで、将来きっとスーパーロジさんになってくれるでしょうface02
 (このHQって言い方、漫画にあったらしく子供たちが、おじさんがHQなんだよねなんて言うから、ビックリ。20年以上使わない単語にも反応できた、ロジ北もえらいface03)   


Posted by 北さんだよ at 17:14Comments(0)訓練

2013年10月07日

トリアージ・現場救護所 3題



 初めての「特別警報」が適用された台風18号が、迫る名古屋で「日赤DMAT研修(全国赤十字救護班研修):@名古屋第一赤十字病院」に参加してきました。
 名古屋駅から地下鉄を使って、病院の名前の付いた駅を降りると、地下道で病院の構内に行けるし、研修資器材は最新の機器がズラッと並ぶ素晴らしい環境での研修でした。face01


 印象的なシーンは、① 大地震の状況が付与された、遠距離の災害に出動するか?との設問に、「状況が分からないから、まだ出動しない」というチームが多かったこと。 寄せ集めのチームへの設問ではあったけれど、東日本大震災の教訓は、きちんと咀嚼されて伝わっているのかと、少し寒い気がしたよ。 でも、急遽組まれた竜巻災害への出動報告を聞いて、「空振りの方が、人々には幸せなんだ」って皆が感じてくれたとは思うけど。。。
 
 


 ② 総合演習の「現場救護所」で、「黄色患者が、赤患者より早く搬送された例があったこと」face07  でも、これは搬出トリアージの際に、カテゴリー変更があったのに、現地指揮本部にそのことが伝わっていなかったことが判明。いくらなんでも・・・ねェ~。
 だけど、現場救護所では何をするのか?ってことや、傷病者をカテゴライズする理由が「飛んでしまう」ってこと、多くありませんか? 黄色エリアに何人ものDrを配置する本部の采配なんかありませんよね。

 場面は変わって、11月3日に予定されている、長野県総合防災訓練の打合せ会での一コマ。
 今回は、昨年から県のDMAT運用部局に、「大災害時には、県災対本部の災害医療本部を運用する部局なんだし、DMATの運用のみならず、日赤救護班や医師会の救護班なども指揮下に入れて、采配を振るうんだよ!」って言い続

けて、危機管理部局にも話を通して来た甲斐があって、今年は、想定被災地の拠点病院となる、諏訪日赤の統括DMAT(S先生、先生の出番をこんなに多くしたのは、私ですface06)のDrが、地域の医療コーディネーターとして指揮を執るって形になったんだけれど。 まだまだ、「訓練」ではなく、「出し物」ってことかな? 訓練をスムーズに流すことに、エネルギーを注ぐ、ご苦労さんな方々が多いのではあります。 「現場救護所からの搬送に回せる救急車が少ないから、バスで緑エリアの傷病者を先に搬出します」って、オイオイ 何のためのカテゴライズなの????


 写真は、今月号の「赤十字ニュース」http://www.jrc.or.jp/vcms_lf/sekijujishinbun881.pdf だけど、中にいくつか訓練実施報告があって、一様に、「救護所や仮設救護所で、トリアージをして応急処置を実施しました」って、結構 巷に溢れている一般的な記事だけど、そうなの?
違和感の残る文章で、今回のタイトル テーマを如実に表していると思うんだけど、いかがかしら?  


Posted by 北さんだよ at 21:09Comments(0)災害救護

2013年08月25日

本部運営訓練(研修)



 8月9日(金)、伊勢神宮「式年遷宮」に先立って斎行される「お白石持行事」で賑わう、三重県伊勢市に行ってきました。
 さすがにお伊勢様ですね。4月の段階から伊勢市内はもとより、近郊のホテルは、満室状態で当日も名古屋で近鉄特急に乗ったところから「神事」の香りが漂っていました。face01




  日赤三重県支部から頂いた写真です。
赤十字マークそのものが「救護所」(看護師さんや病院のイメージも強いね)のイメージですが、日赤では、大きな催し物が行われるとき「臨時救護」といって、けが人や急病人の発生に備えて救護チームなどを派遣する活動をしているんです。長野県でも、6年に一度の善光寺の「御開帳」や高校総体、県縦断駅伝、そうそう あの長野オリンピックでも活動したっけ。。。



 伊勢市での主目的は、伊勢日赤での災害救護訓練への参加でした。真新しい病院(立地は、石巻日赤と似てるね)での訓練は、情報付与型の本部運営訓練(研修)!
 ここ数年、「情報」について考え、最近は「本部機能」の発揮の仕方を考えている北さんには、とてもオイシイ訓練(研修)でした。



 

 お馴染の、「医療資源」と「医療ニーズ」のアンバランス(災害の「さま」)状態の図ですね。ここで、このアンバランスを平衡化を図るための方策を再確認してもらいました。
 実は、これらのことを効果的に実現させるのが、災害対策本部の大きな役割なんですね。この役割を解っていないと、前回のUP記事のように、「お邪魔なだけの災害対策本部」に為りかねないのですがface10 怖いですね~



 そして、くれぐれも「職員の安全」を傷病者救護の対価として奉げないように!

 必要な「情報」を取得して・・・・・

 ここで、忘れちゃ困るのがCSCAの視点!(検証の視点としても有用だけれど、特に「安全」は、進行中にこそ必要な視点だからね)face07


 熱気あふれる90分の訓練は、あっという間にタイムアップ。
 研修企画者との打ち合わせでは、訓練→講義→検証って流れで、検証の中で、作りたてのアクションカードをより実効的なものにできたらいいねって、目指す処を決めておいたんだけれど、もう参加者の皆さんは訓練後半位から「災害対策マニュアル」本体の修正にまで、意識が向いていて、とてもいい訓練だったと思います。face02

本部運営のポイント(キモ)は
 ① 仕事のトリアージ 
 ② 情報の共有化
 ③ 権限の明確化
  かな?!
 
 これって、普段の仕事と同じだよねicon22 

 貴重な機会を与えて頂いた、伊勢赤十字病院の皆様  ありがとうございました! お役にたてたか心配ですが、とても楽しい一時でしたface02  


Posted by 北さんだよ at 00:57Comments(6)訓練

2013年07月30日

災害対策本部と出動救護班

 久しぶりのUPですね。7月上旬の3日間、神戸赤十字病院で開催の旧称「日赤DMAT研修」に参加してきました。

 現在進行中の、長野県総合防災訓練の訓練企画でもこ「今年の、キーワードとして、本部機能の充実」を挙げて、医療コーディネーター、ロジスティックチームの働きの強化を目指しているのですが、この3日間で最も印象的だったのは、「派遣された救護班にとって、母院の災害対策本部の存在や如何に」でした。

  CSCAを司り救護班をバックアップする存在として機能しているのか? 本部員にそんな意識があるのか?
 救護班員からすれば、本部は「命令を出すところ」「報告を求めるところ」という面倒くさい存在でしかないのでは?
 これは、大きな問題で、病院における多数傷病者受入れ訓練や大規模交通事故医療救護訓練にしても、「影が薄い本部」「頼りにならない本部」というより、訓練に本部が出てこないなんてことが沢山あるのでは、と心配してしまいますが、皆さんのところはいかがですか?

 救護班と母院、日赤病院と日赤の都道府県支部の関係が、お互いを思いあう関係であってほしいし、研修を企画する場合に、「バックアップ本部としての災害対策本部の在り方」について示す必要がありますね。
 このロジ北のプロフィールにも書いた通り、出動した救護班も、送り出した病院の災対本部も「PDゼロの達成」の達成を目指し、加えて災対本部は救護班の安全を願っているということを、どこかで皆が再確認する必要を感じます。

 「災害救護は、支部長が行う。」という日本赤十字社救護規則の条文に規程される支部と「医療救護を行う」という日本赤十字社医療施設規則に則る赤十字病院は、財政基盤の違いもあってか、ともすれば、「お互いを思いあう関係」からズレテいきがちだけれど、大規模災害では、自社の組織だけでなく、他組織・他機関との連携が必須で、効果的連携には災対本部の働きが欠かせないことを あらためて考えた研修会でした。
 みなさん ありがとうございました。  


Posted by 北さんだよ at 21:47Comments(0)日赤DMAT研修

2013年05月20日

3回連続 

 タイトルは前回UPと似ているけれど、本当にあった怖い話です。face07
 写真は、4月28日の夕刻 長野自動車道 岡谷 JCTで目撃した、霧ケ峰の林野火災。【以下、諏訪市HPから抜粋引用です。】
霧ヶ峰の林野火災について(お詫び):4月28日(日)に霧ヶ峰高原草原再生火入れ事業実行委員会(委員長:山田勝文 諏訪市長)が実施しました火入れにおいて、事前の防火帯設置と散水、防火班配置、小区画ごとの着火など安全を最優先に進めてまいりましたが、強い突風により予定地外に飛び火し、諏訪市域及び茅野市域の約154haを延焼いたしました。
 地権者及び周辺住民の皆様をはじめ、関係各団体の皆様、霧ヶ峰を訪問いただきました旅行者の皆様など、ご迷惑・ご心配をおかけした多くの皆様に深くお詫び申し上げます。
 また、自衛隊・山梨県・群馬県・埼玉県・岐阜県・長野県の各防災ヘリコプター、長野県、諏訪圏5市町村、諏訪広域消防本部、岡谷消防署、茅野消防署、下諏訪消防署、富士見消防署、原消防署、茅野市消防団、諏訪市消防団ほか、消火活動にご尽力・ご協力いただきました多くの関係各位に対し厚く御礼申し上げます。
 そして、5月10日夕刻、長野道 長野IC付近で、不審な煙を発見、同乗者に、「先月28日の霧ケ峰の林野火災も、こんな煙で、嫌な感じだった」と話していたら 長野市松代町大室地籍で、山林の杉及び下草約3,500平方メートルを消失する火事!face07
 もうタイトルの意味が解ったでしょうか? 次に高速を使ったのは、15日~16日の出張で、16日夕刻 中央道 小黒川PA付近で、火柱を発見!伊那市西町地籍で、山林の立ち木、下草、伐採した木等約1,800平方メートルを焼く火災でした。face10
 そう。高速に乗るたび3連荘で、山火事遭遇という、ほんとにあった怖いお話でした。
 今回のカテゴリーは、「危機管理」としたんだけれど、こんな時、あなたならどうします?
 もしもの時の為に、イメトレを是非!
 あれっface06そ~いえば、11日も高速使ったよな、でも、一日雨だったしface03
 ということで、長野県観光PRキャラクターの「アルクマ」と当支部の「シブシブ」と一緒に、当社の救護服を着て写真撮っちゃお~と、松本でフェスタしてました。
 なぜ、「アルクマが?」って。それはね。当支部管内では年間3万人に応急手当などの研修をしているし、県内に6つも病院あるし、安心して観光にお出で下さいってことよface02
 アルクマも当社のマーク入りの三角巾してるでしょ。。。

  


Posted by 北さんだよ at 23:32Comments(0)危機管理

2013年03月26日

3週連続


 立川の「DMAT隊員養成研修」に行ってきました。今年度、2回目(結局日程の折り合いがつかず、神戸の研修には行けませんでしたicon11)の研修でしたが、お初のロジインスト・タスク方々と知り合えて新鮮な研修でした。
 フルコース参加ができず、現場救護所のまえで撤収しましたが、① スタートトリアージを習得するためのトランプ実習はとても練られたプログラムではあるけれど、ややもすると、「医療の需要>医療の資源」という状況の中で「順位付け

をせざるを得ない場面なんだ」ということが忘れられてしまいがちになり、少ない医療資源の中で、「黄色エリア」にDrを配置したくなったりしてしまう。face07
 ② 俯瞰的に、事故現場などをイメージして救護所などを配置してみることは、「医療環境の整備」の任を持つロジさんには、特に必要なことと考えるが、現実の場面では上空から見ることは難しい。現場でスマホやタブレットの「地図ソフト」を立ち上げてみるのはどうだろう? 3D風の地図なんかもあって位置取りのための情報収集

に便利。
 なんてことを考えました。
  翌週は、東京医科歯科大の「災害医療ロジスティックセミナー」でした。これは、「災害発生時に医療活動を支援するロジスティックスについての知識の習得を図る。」ことを目的としたもので、「災害発生時の医療活動をロジスティックの面からサポートする活動の充実を目指す」という災害医療ロジスティック協会の事業目的達成のためのセミナーでした。
 医療従事者以外に、いろんな立場の方々

初級・中級と2日間にわたって熱心に受講されました。
 災害時の情報収集/伝達に関して、「箇条書きのインタビューや通信」を心掛けるべきで、それには、無線機を使った通信を体験し技術を習得しておくことが役立つと立川で事務局と話したばかりで、流石と思ったのは、DMAT隊員養成研修の「チームのロジスティクス(遠隔地派遣シミュレーションⅡ)」の「魔法の電話」を「魔法の無線機」でやってたこと。(呼び出し方は、工夫の余地があったけどねface03

3週連続週末は「災害医療系研修会」の最後は、長野日赤で「長野県DMAT隊員養成研修」でした。
それにしても、この旗良いでしょicon22 関西から「姉さん」が見に来てくれたりして、緊張感溢れる研修でした。
 新作「チームのロジスティクスⅡ(情報収集・局地災害対応・受援活動)」は、局地災害派遣時のロジの具体的な「調整」「情報収集」「クロノロ」の実習でしたが、準備不足の中、長野県内のロジスタッフが、頑張ってくれて、楽しい120分でした。
 現場救護所実習では、現場救護所は何をする場所かの共通理解が薄く、やはり混乱しましたが、医療従事者に「ロジさんは、情報を取ってきたり、整理したり、他の機関との調整をしたり、資器材の管理をしたり、記録を取ったりできる人達なんだよ」って教えてなかったため、救護

所運営リーダーが使いこなせなかった場面があり、2日間の研修の中でロジの役割に関する講義が必要だねと
感じました。(立川では、SCU本部長役のDrインストが、前日のロジさんの講義に参加してくれるよね。)

 長野県DMATのロジ関係でしていることは
① 11病院の簡易業務無線で非常時に通話できるChを持っている。
② CSCATTT(ポロ)シャツを作っている。
③ 域内搬送のシステムをまとめてある。 などなどありますが、③には、EMISに先駆けて、

持参医療資器材集計様式。個人データ付の登録様式などを備えていたのですが、MATTSが稼働を開始し花巻モデルのSCU訓練を展開するようになり、最近は、県の総合防災訓練でも使ってなかったけれど、局地災害での医療展開には、紙ベースでもいいので必要
かなと「姉さん」と話しました。

 年度末の3週連チャンでしたが、「一生懸命な仲間」との一時は、浮世のウサを忘れさせてくれますね。face02 皆さん ありがとうございました。
 それから、4月に移動してしまう県の担当のKさん、『楽しかったね、お世話になりました。』icon23  


Posted by 北さんだよ at 23:00Comments(0)DMAT

2013年03月02日

どうでっしゃろ?

「主事」の皆さん、いかがでしょうか? 美術専門学校の生徒さんが、デザインしてくれました。感動的ですらありますね。icon22
3月は、4日から立川の日本DMAT養成研修。。。9・10と東京医科歯科でロジ教会セミナー。。16・17と古巣の長野日赤で長野県DMAT養成研修icon12 と、連チャンです。。。このポスターのごとく頑張ります。face02

  
タグ :任侠感


Posted by 北さんだよ at 21:52Comments(3)赤十字

2013年02月04日

東北巡礼 冬の石巻・南三陸・女川へ



 1月最後の土日に、救護班員として出動以来5回目の東北巡礼してきました。
 大宮集合で、長野県内のJRC(Junior Red Cross)指導者の皆さんと1泊2日の強行軍でしたが、心に残る、そして元気をもらった巡礼でした。(写真は、東北新幹線に描かれた頑張ろう日本/頑張ろう東北!)




 先ず訪れたのが、雪の中に津波と火災とで無残な姿を残す、門脇小。先生方にとってこの姿は、とても衝撃だったらしく、二日間の研修の方向が明確に焼付いたようでした。
 昨年秋の巡礼もそうでしたが、被災地支援・防災対策の意識づけなどの意味合いで(災害救護に関わった方々の「こころのケア」も含め)、多くの方々に被災地を訪問して欲しいと思っています。




 石巻日赤では、同志T係長が1時間にわたって「気持ちのこもった」説明をしてくれました。ありがとうございました。
 昨秋から更にPower Upしていて、売店にあった『石巻赤十字病院の100日間』が売り切れたほどでしたface01






 写真は、南三陸 ホテル観洋の夜明けです。
 オーシャンビューが素晴らしいこのホテルは、震災当時自ら被災しながらも、被災者の受け入れを行い、復興支援の基地となったホテルで、支配人から当時の模様を伺いました。
 
(津波の前の引き波で、向かいの島までの海底が見えたって・・・face08




 議会では、1票差で、取り壊しが決せられたという。南三陸町の防災対策庁舎です。
 今回も、ここで献花をしました。寒々とした錆びた鉄骨を晒す建物には花束が多く奉げれていて、来訪者の切れ間もないようでした。







 「命を大切に!」と今回も、南三陸を案内してくれた、語りべボランティアさんは「地震でんでんこ」の考え方を説いてくださいました。
 ご自身は、チリ地震と今回と2度家を失くされ、今回は3人の命を救ったとのこと。高齢を押しての熱意に頭が下がりました。
 今回も、ここでしっかり、地酒(しぼりたて生原酒)を買いましたよicon22





 女川の地域医療センター駐車場からの写真。
 昨秋には、来られなかった場所だけれど、今回は私の企画だったから皆さんをお連れ出来ました。眼下のビルは、雪の中で同じ姿で横たわっていました。






 駐車場の一角の慰霊碑です。
 対岸の海面から約20mの高さで、杉が枯れているのが分かりますか?
 あと何度訪れるまで、枯れ色の山が残るのでしょうか、見届けようと思っています。






 
 石巻日赤のロビーで見つけた「鬼に金棒」です。
 災害医療で「鬼に金棒」といえる仕組みや体制が整うまでには長い道のりが予想されますが、新しい慰霊碑が建つ前に・・・という想いで帰路につきました。
 *石巻日赤医療社会事業部を事務局に「災害医療ACT研究所」が設置されています。
  (http://www.dm-act.jp/index.html



 「鬼に金棒」に近づこうと、今年も「長野県災害医療研修会」が古巣、長野日赤で開催されました。
 「災害時の医・食・住を考える」という設計事務所の方の講演や大震災救護活動の現場報告。そして、トリアージの解説と実習が行われました。
 F先生の「トリアージで迷ったら親切にしてあげてとの一言が心にしみました。  


Posted by 北さんだよ at 18:00Comments(0)災害救護

2013年01月26日

日本集団災害医学会(神戸)




   阪神淡路大震災のあの日に合わせて神戸で開催された、日本集団災害医学会に行って来ました。

 3日間のなのに、なんと初日の第1コマに発表の場を設定頂いて、行く前は「前泊しなけりゃ間に合わないface07 3泊しなくちゃかなicon11」とか、思っていたけれど、初日 早くに発表してしまうと、小心者の北さんは、あとの日程が、「余裕」でしたface02
 ありがとうございました。
 昨年度までは、病院のHPにスライドをUP出来たんだけれど、今年度はそうもいかないので、ここにUPしてしまいます。
 赤十字職員だけでなく、多くのロジさんにも「赤十字業務用無線」活用の可能性を知ってもらいたいし、DMATで専用周波数を取得すれば、こんな使い方が出来るってことだからね。(25枚もあるから、心してどうぞ・・・途中、読みにくいスライドもあるよ)



















































 ここまで、読んでくれた方々に「深謝」でございます。お疲れ様でした。
 こんな風に、「法的な環境の整備」も、主事さん・ロジさんの仕事なんですね。法律を読み込んでいくと、実際の通信技術の向上につながる具体的方策も見えてくるから楽しいですね。face02

 あれ、日付が変わってしまいました。今日明日と石巻・南三陸・女川の旅です。行って来ま~す。
  


Posted by 北さんだよ at 00:37Comments(0)学会・研究会・研修会

2013年01月03日

年の始めの・・・





 皆様

     謹賀新年でござりまする。。。







 そろそろ、だるまさん色のチャンチャンコを意識するお年頃になった ロジ北は、「まとめ」を意識した仕事をしていきたいと考えています。

 「情報」を研究している者として、いろんなことをいろんな人に「伝えていく」事を進めていきます。


 さしあたって、今年は市民への「防災セミナーの実施」をスタートして軌道に乗せることを考えています。  


Posted by 北さんだよ at 23:49Comments(0)歳時記

2012年12月09日

盛り沢山! その2


 10/18 長野市松代の気象庁 地震火山部 地震津波監視課 精密地震観測室を見学する機会を得ました。
 かつては、中央気象台松代地震観測所と呼ばれ、終戦に近い1944年11月から地下に大本営の疎開先(天皇陛下の疎開も想定)として、舞鶴山に掘り抜いた、東西100m、南北300mの地下抗に地震計を設置して観測を始めたもの。


<詳しくは、下記へ>
http://www.jma-net.go.jp/matsushiro/about/enkaku.html


 坑道内に設置されている地震計の一つ。
 この地震計は、地震観測所の頃からの古いもの。
 あの地震やこの地震をづ~っと記録し続けていると思うと、いろんな出来事が走馬灯のように浮かんできました。





 これは、2011.03.11 14:46の群列地震観測システムの電子データをPC上に呼び出してもらったもので、私達が赤十字の職員と知って、説明役の方が選んでくれました。
 波形を見ただけで、体が揺れる感じがしました。
 今回は、普段公開していない場所まで見せて頂きましたが、ロジ北読者の方なら事前に申し込んで見学が出来ると思いますから是非!

 10/21 上田市を会場に行われた、長野県総合防災訓練の一コマ。
 昨年度の長野県地震総合防災訓練で、県の災害医療本部に統括DMAT&ロジが入り。実動訓練の総合防災訓練ではDMAT活動拠点本部にロジ2名が。そして本年は、災害医療本部にロジ4名!(ロジ北はコントローラー)
 市の災対本部にも1隊を派遣するなど、本部機能を補佐するロジスティックチームを明確に位置付けました。
 




 訓練の朝、駐車場で、炊き出し訓練に向かう日赤奉仕団の方々に「お握りが楽しみ」って話すと「icon06入りで作ります」と。。。 今までの炊き出しの中で1番美味かったface02
 ラップの処理がいいね。icon21
 





 10/27&28 諏訪日赤で、MCLS

 
 悲しい出来事があって、初日は欠席で、懇親会からの参加でしたが、熱い想いの皆さんとの語らいは、元気をもらえますね。
 久しぶりに会った、消防の方、ここにも参加してくれた自衛隊の旧知の方。。。同士って感じかしら・・・




 11/4・5 長野市で、近県8県の日赤県支部による合同災害救護訓練が開催されました。
 づ~っと企画のど真ん中って感じでやってきたけど、今回は傍らから見守るって感じでの参加。
 ■ トリアージの手法の理解はあるけど、意味の理解がまだまだで、救護所で何をするのかも分かっていない。
 関係者のみならず国民的合意が必要だと感じた。




 併催された、古巣 長野日赤の多数傷病者受入れ訓練
 災対本部の人事管理用ホワイトボードです。 
 職種ごとに色分けしたマグネットシートに名前を書いて、エリアごとにまとめてました。
 本番に使える、本気度を感じるアイデアですねface01




 車の屋根に林立するアンテナが分かるでしょうか?
 長野県情報奉仕団(防災ボランティア)の方々の車です。
 アマチュア無線・日赤業務用無線なんでもござれの心強い皆さんです。
 (日赤職員の通信技術の未熟さに一言苦言が・・・頑張れ!日赤マン!)



 11/10~12 諏訪日赤で中部DMAT技能維持研修が開催されました。
 H24・9・1の四国で繰り広げられた広域医療搬送訓練の報告のコマで、ロジ北でも報告した護衛艦「いせ」での訓練の模様と日赤業務用無線の活用について併せて報告しました。
 DMATの夜は毎回凄いけれど、今回は特に「御柱復活祭」「寿司安城抱擁場所 大映画祭」など盛り沢山で、あっという間に諏訪の夜は更けていきました.face03

 11/17~19  武蔵野日赤で、旧称日赤DMAT研修が開かれました。
 今回は、「情報」関連で、収集すべき情報/インタビュー/クロノロに焦点を当てた、スタッフも鍛えるプログラムを開発しました。これも「総合無線通信プログラム」と共に育っていくといいなと思っています。
 ■ 総合演習「現場救護所」の説明で「治療」という言葉を使わず、「安定化処置」というような言い方をしましょうと提案してきました。医療従事者は、どうしても傷病者を目の前にすると、「治療」したくなってしまうから。。

 盛り沢山! その2 いかがでした? 休みなしの1か月は楽しかったけれど、さすがにきつかったかなface06  


Posted by 北さんだよ at 20:01Comments(0)災害救護

2012年10月21日

盛り沢山!

 ロジ北の原点といえるでしょうか。一般用の応急手当のプログラム「赤十字救急法」の競技大会の一コマです。
 22回目の今年は、46チーム(選手138名)が出場し、緊張の中、「三角巾リレー」と「救命手当」の2種目の競技を行いました。
 救命の連鎖に積極的に関われるバイスタンダーの養成も大事なことです。(全国のロジさん・主事さんも是非マスターを! 受講申し込みは、赤十字の各都道府県支部へ…)


 そして、新幹線で一路 東京へ。。。旧名:日赤DMAT研修に参加。
 やっぱり、この服が集まるとなんか迫力がありますね。見かけ倒しにならないようにしなくちゃねface03
 今回の、ロジ北のテーマは「何が分からないかが分かる研修」で、結構 達成感はありましたよ。
 今後は、このスタンスでインストするのがいいななんて思いました。




 そして、その週末から、立川の日本DMAT隊員養成研修へ。
 考えてみれば、私自身の異動の影響もあり、24年度初の養成研修参加でした。
 久しぶりなんで、緊張して参加(ホントだよ)したのですが、やっぱり、皆さんの波動は、ロジ北の波動と合うねface02 体力的には、きついはずなのに、元気になるから不思議です。icon12

 やっぱり半年も間が空くと、随所に「進化」の跡があって、嬉しい限りです。こうでなくちゃねicon22
 ここでも、受講生のみなさんが「何が分からないか分かる」ってことを意識して接しましたが、派遣元病院で最初のDMATチームという方々が多く、いいスタンスだったと思っています。




 突然の道路標識ですが、翌週は今年2度目の「東北巡礼」でした。
 今回は、赤十字有功会の皆さんを案内して、岩手・宮城を巡ってきました。
 きっと、読者の皆さんの中に、「花巻空港」で活躍された方々もいるのでしょうね。
 次回は、ロジ北で声かけますから、ご一緒しましょうねface02



 今回は、初めて南三陸町を訪問しました。
 こんな姿で有名になってしまった「防災対策庁舎」です。「防災対策」と「防災対応」の違いって何だろうとか考えながら、献花をしました。病院などのマニュアルでも「災害対策・・・」と「災害対応・・・」ってありますよね。
 皆さんのところのマニュアルはいかがですか? 名前って結構大事ですよ。


 当然、石巻にも行って来ました。
 この赤十字旗は、石巻赤十字病院で震災対応の間風雪に耐えて、人々を勇気付けていた、言わば「人道の象徴」です。
 病院のロビー脇に飾ってありました。
 南三陸では、語り部ボランティアの方に、石巻日赤では、ロジのTさんにそれぞれ1時間ほど体験に基づく感動的かつ具体的示唆に富む話が聞けて、研修旅行に参加して本当によかったと言ってくれました。みなさんありがとうございました。  


Posted by 北さんだよ at 00:16Comments(0)災害救護

2012年09月20日

伝説の“海軍カレー” (9・1訓練)


 先月、海保の活躍する「海猿」を観て、海の男達のあつい心にうなっていたロジ北ですが、なんとなんと海自の大型最新護衛艦「いせ」に乗せて頂きましたface02
 今回は、平成24年度「防災の日」総合防災訓練 広域医療搬送訓練 参加報告です。
 旭日の日章位置が旗竿側に寄った軍艦旗(十六条旭日旗)が美しい!



 小松島の海上自衛隊第24航空隊基地から内火艇(ランチ)で渡船し、飛行甲板(第1甲板)に出ると、その大きさが迫力をもって押し寄せます。でも、この大きさが安心感も与えてくれるのです。

 飛行甲板後部からの写真ですが、頂いたパンフによると基準排水量13,950t、全長197m!哨戒ヘリ3機を搭載し、乗員は340名の「ひゅうが」型ヘリコプター搭載護衛艦の2番艦として、奇しくも震災発生から5日後の2011年3月16日竣工しています。




 この写真、実は、前日(8/31)のものでCH47の着艦練習なのですが、なんと訓練本番では、離陸予定地の天候が悪く、応援DMATも来ないface07 14チームで運用していくミッションを、4チームでこなすという恐ろしい訓練が待っていたのでした。。。 最新鋭のこの艦は、高度の管制機能を備えていて、先の震災でも大きな問題となった、「へり調整本部」の役割も果たすこともできたでしょうに。。。



 ヘリの塗装に気づきました? 護衛艦「いせ」をあげての訓練協力の一場面です。
 周辺は見える限りの晴天とはいえ、前述のとおりヘリが来なくなってしまったので、予定になかった搭載ヘリSH-60Kを格納庫から飛行甲板に上げて、これを使って傷病者の搬送・受入れ訓練をしていただきました。face02
 気合の入った対応ありがとうございました。



 ブリッジの横の甲板に大きな穴が分かるかしら? この部分が大きな昇降機になっていて、格納庫からSH-60Kを上げたのですicon14 
 反対に、飛行甲板に着艦したヘリから降ろされた傷病者は、この昇降機で階下の格納庫へ収容。
 広い格納庫は、SCUの治療エリアには充分なスペースで、暑さ寒さの問題はあるにせよ、洋上SCUの可能性はとても大きいねicon22




 2枚の写真ではありません!
 階下の格納庫から、域外のSCUにヘリ輸送するために、安定化が済んだ傷病者を昇降機で飛行甲板に上げているところです。

 乗員の帽子の顎紐がいいですねface01 彼らは、「(訓練)状況開始」の館内放送で一斉に、ビシッと顎紐を掛けて訓練開始!を示していました。

 かつての日赤の救護員作業帽にも顎紐はあったんだけれど、今のにはないので・・・  せめてSCU本部のロジさん達がキャップを前後逆にして気合を示すとかしたらいいのにface02





 

 応援DMATが来ない!という まさかの状況に、本部長が執った行動が、「いせ」の医務班員の協力要請でした。さすがですね!(応援ヘリは来なくても、訓練用の傷病者役は計画通りの人員が確保されていたのでしたicon10
 日赤では、赤十字の腕章はまかりならんって、最近は使えないんですが・・・海自さんも同じジュネーブ条約を順守しているはずで、本気度の違いかしら?などと自嘲することしきり・・・


 パンフレットで優れた「指揮通信システム」と自慢するだけあって、素晴らしい指揮通信の設備と乗員の技術。
 受入れ傷病者の状況。クロノロ。そして、甲板や格納庫の状況などが、整然と大型ビジョンに投影されています。

 人手の足りない診療エリアのDMATロジさんも、「ちょっと拝見!」



 顎紐を掛けたみなさんが、情報を整理・記録して発信しているのですね。

 近隣災害で消防さんとの連携を企画(MCLS)していますが、海自の皆さんの“力”も借りられると、特にロジさんは助かりますよね。もっともっと連携を強め・深めて、治療エリアとSCU本部を結ぶ「通信部門」をお願いできるようになるといいですねface02







 これが、指揮本部(第2甲板の多目的区画)の100インチ大型スクリーン! 3機ならんで、「いせ」内外の情報を映し出しています。
 DMAT用にも少し小型のスクリーンを2機お借りしてEMISやMATTSを投影しました。





 話題緩急
 
 ただ、前日の準備段階で見つけてしまったのですが、中央の緑枠には「軽傷エリア」! 他に黄色枠の中等症エリアも!face04

 広域医療搬送について、関係機関、連携できると大きな戦力になる機関に啓発をしていく必要がありますね。



 護衛艦「いせ」の多目的区画に設置された、「いせ」の訓練本部。
 右側には、DMATの洋上SCU本部。
 左手前は、北さんも務めた、訓練コントローラーの活動区域。飛行甲板の端に設置した衛星自動追尾型ATと組んだイリジウムから回線を引き、インタネットTV会議も行えました。




 平成22年11月の日本APECの「DMATの災害医療体制」で、複数の日赤支部が参加して、「通信分野」での日本DMATと日本赤十字社の初の協働がなされたが、先の大震災では、組織だった協働はなく、この9.1訓練で、四国各県からの要請という形で、多くの拠点病院間を赤十字業務用無線で結べるかの調査を行いました。
 お借りした岡山日赤の無線機を運用する〇〇さんface01


 タイトルの「海軍カレー」! 毎週金曜に出ることで、曜日の感覚を保たせるといわれている伝説のカレーを土曜日に出して頂きました。face02 
 いや~美味かったです! ありがとうございました。

 陸軍カレーも辛口・甘口の2種類のルーを選べて辛さの調節も出来て、美味いとのこと。陸自さんとの強力な協働も進めてほしいですね。


 
 「いせ」での訓練を終え、撤収時に久しぶりに美しい「敬礼」に出会いました。
 思わず、北さんも気持ちのこもった敬礼を返してしましました。
 「いせ」の皆さん、お世話になりましたface01
 皆さんの国民を守るという高い志を、DMAT活動を続ける励みとしていきます。
   


Posted by 北さんだよ at 00:02Comments(0)訓練

2012年08月29日

再び石巻へ



 平成24年の夏も、石巻行が「ロジ北」の頁を飾ります。
 今年も、昨年の誕生日の約束どおり、石巻に行って来ました。

 一年振りの、“被災地”巡礼3泊4日の報告です。






 石巻赤十字病院に保管されている、トリアージタッグの束です。
 このタッグは、大震災で実際に使用されたもので、全てのタッグの検証もなされているとのこと。
 いずれ学会などで検証結果は発表されることでしょうが、この一枚一枚に、私達にも関わりのある「物語」を秘めています。







 今年も廃屋前のプランターに花が咲く、市立雄勝病院

 昨年は、屋根の上に軽自動車が載ったままだった玄関向かいの民家は撤去され、基礎のコンクリートだけが、そこに家があったことを教えてくれます。











 昨年、「言葉を失った、女川の風景」は、一年の時間経過を充分に感じさせるものでなく、一年たってもここまでの復興か?と思わせるものでした。
 あの、横倒しになったビルはそのままだったけれど、横には「女川に、笑顔の花をさかせましょ」





 赤十字もその復興に寄与したという、女川町地域医療センターの救急入口横の柱には、震災時に1階床から1.95mの浸水があったという記載。

 地域医療センターは、今も、港を望む海抜18mの丘に建っています。






 巡礼2日目の宿(牡鹿半島先端)に向かう途中の大原浜。

 美しい夕日の中に、漁船が見えるでしょうか?







 石巻市立病院は、入り口などにコンパネが打ち付けられ、バス停の時刻表には「休止中」の張り紙が。。。
 付近の、廃車集積所には、未だに石巻日赤の救急車が1年前と変わらずface07・・・(多少周囲の車は減りましたよ)








 焼け落ちたままの、門脇小学校の壁には「門小ガッツ 僕らは負けない」





 石巻駅には、平成20年に制定された「市民憲章」が。
  まもりたいものがある それは 生命のいとなみ 豊かな自然
  つたえたいものがある それは 先人の知恵 郷土の誇り
  たいせつにしたいものがある それは 人の絆  感謝のこころ
  わたしたちは 石巻で生きてゆく 共につくろう 輝く未来


 

 
 あの、耳を疑う一報が流れた、仙台市若林区の荒浜にも、こんな風景が。。。

 小さなことでも、出来るところで、支え続けましょうねface01
 10月にも仕事で、被災地を廻ります。また、仲間で廻るのもいいですね。声を掛けてくださいな。ず~っとロジ北の巡礼は続きますから。
 そうそう、鯨の刺身・米沢牛はとてもとても美味でございましたface01  


Posted by 北さんだよ at 23:40Comments(2)災害救護